2013年8月31日土曜日

全力で、走って残る、シャツの汗。

フライブルクの街でビールを飲んでいたら、突然トラが現れました。


寅年の僕はちょっとテンションが上がりました。

「写真撮ってもらおうかな…」と思っていたら、通りすがりのおじさんに先を越されました。

おじさんに写真撮影をお願いされたトラは何を思ったか…


頭とっちゃいました。

「お前も撮るか?」みたいな感じでウインクされたけど、遠慮しておきました。

グーテンターク!!

どうも山田です。

え?なになに?このトラがつけているマフラーは何やって?

さすが!目のつけどころがシャープですね!

実はこれ、フライブルクのサッカーチーム「SCフライブルク」のマフラーなんです。

翌日にフライブルクで試合があるということで、そのPRのようです。

客寄せパンダならぬ「客寄せタイガー」。

さて今回は、ドイツ フライブルクへの旅「第二弾」。

というわけで、僕の旅に欠かせない…そう、サッカーについて書きたいと思います。


一日目の金曜日、ドイツ在住の友達がフライブルクに来ているということで、会いに行くことにしました。

連絡すると、夜の21時半にフライブルク郊外にあるホテルに来てくれとのこと。

地図を見るとその郊外の町には電車が通っていない。

とりあえず地図上で一番近い駅まで電車で移動し、そこからタクシーに乗ろうと考えたのですが…

その駅がここ。


あたり一面何かの畑で、駅前の道にはタクシーどころか車もほとんど通っていない。

どうしようか…。

とりあえず駅の横に一軒だけあったバーに入ってみました。

店員っぽい美人のお姉さんに「アイ ウォントゥー ゴー ヒア」と言って地図を見せると、

何言うてるんかわからんけど「タクシー呼んであげる」的な感じになりました。

客でも何でもないただの通りすがりになんて親切な!

ちょっと惚れてしまいました。

15分ほどするとタクシーが来て、どうにかこうにか待ち合わせのホテルに到着しました。

ホテルのロビーで待っていると、会いたかった友達が登場。

では、ご紹介しましょう。

サッカー日本代表で、ドイツのマインツでプレーしている岡崎慎司です。



以前、このブログでも書きましたが(http://takeshi-yamada.blogspot.fr/2013/05/blog-post_24.html)

岡崎とは滝川第二高校サッカー部時代のチームメイト。

前にパリで会った時は写真を撮るのを忘れていたので、今回はバッチリ撮ってもらいました。

本人曰く「俺の頭、寿司職人みたいやん」とのこと。

なにそれ?自虐ネタ?

確かに寿司職人がハチマキとったらこんな感じかも(笑)

そんなお茶目(?)な岡崎は、11日にブンデスリーガ(ドイツ1部リーグ)開幕戦を戦い、

すぐに日本に帰国して14日にウルグアイとの代表戦に出場し、前日の15日に帰国したばかり。

さらに翌日18日は第2節のフライブルク戦を控えるという超ハードスケジュールの中、わざわざ時間を割いてくれました。

ホテルのロビーで1時間ほど、昔の思い出話やこれからの夢など色んな話をしました。

思えば、高校時代も特に仲がよかったわけではないし、僕は途中で中退してフランスに行ったので、

ここまで2人でゆっくり話すなんてこともありませんでした。

それでもあの頃の仲間として昔と変わらずに接してくれる彼には人としての大きさを感じました。

話を聞いていても、何というか真っ直ぐで、「人間臭い」魅力があって、それが人を惹きつけるのだなと感じました。

最後に、写真を撮ってもらい、サインをもらい、帰りのタクシーも呼んでもらいました。

さらに翌日の「フライブルク対マインツ」の試合のチケットまでいただきました。

いたれりつくせりですわ。

というわけで翌日、試合を観にスタジアムへ。

これがフライブルクのスタジアムである「メガ・ソーラー・シュタディオン」。


スタジアムの屋根の上に太陽光パネルが付いており、このスタジアムの電力全てをそこから賄っているそうです。

ドイツのスタジアムの中ではそれほど大きくはないスタジアムのようですが、

ピッチとスタンドの距離も近く、非常に見やすい造りになっていました。


僕の席の近くにはこんな人たちも。


岡崎は、今シーズンマインツに移籍してきたばかりですが、早くもファンから愛されているようです。


さて、試合が始まりました。

岡崎は左MFで先発出場。

両者互角の感があった出だしでしたが、次第にマインツがゲームを支配します。

マインツは、要所要所の選手がしっかりしているなという印象。

そして、その中心には岡崎がいました。

彼がプロになって以降、TVではよく見ていましたが、生でそのプレーを見るのは初めてでした。

彼のプレーを見ていて特に際立っていたのが、ボールをもらう動き出しでした。

ボールをもらう動き出し、つまり相手のマークを外してフリーでボールをもらう動きと言うのは、

ボールとは関係ないところで起こる動きなので、テレビではあまりわからなかったりするのですが、

スタジアムで生で見てみるとその動きがよくわかります。

岡崎は、何度も何度も、ボールが来ようが来なかろうが、常に相手の裏を狙って動いていました。

さらに守備でも、懸命に相手にプレッシャーをかけ、献身的なプレーでチームに貢献していました。

連戦の疲れも見せず、ピッチを全力で走り回る姿に僕は感動しました。

彼の特徴はやはりこういった気持ちが伝わってくるプレーだと思います。

もちろんどの選手だって勝利のために、得点を奪うために、失点を防ぐために、みんな同じように気持ちを持ってプレーしています。

淡々とプレーしているように見える選手でも、誰だって内に秘めた闘志を持って戦っています。

選手によってそれぞれプレースタイルも性格も異なりますし、別に全員が全員、気持ちを表に出す必要はありません。

しかし、岡崎のように常に「全力」で、気持ちを前面に出してプレーする選手がピッチ上に一人でもいる事で、他の選手たちにいい影響を与え、観客にも熱が入ります。

「心技体」という言葉を借りれば、彼は「心」の優れた選手なのだと思います。

確かに彼は、決して体格のよい選手ではないし、技術的に秀でた選手でもないですが、それを補えるだけの「心」があります。

それがファンやサポーターに愛される所以なのかなと思います。

さて、試合は2-1でマインツが勝利!!

試合後にスタンドの一番下まで降りて声をかけると、気づいて近くまで来てくれました。

「点取りたかった…」とひとこと。

そして、着ていたユニフォームを脱いでプレゼントしてくれました。


ユニフォームは大量の汗で重たくなっていました。

いかに彼がピッチを走り回ったか、その努力の重みのように感じました。

来年のワールドカップに向け、岡崎らしく「全力」で走り続けて欲しいなと思います。

僕もあらゆることに「全力」で立ち向かえるように頑張っていきたいなと思います。

PS。慎司、ほんまにダンケシェン!!


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

バカンスだ、フライブルクへ、フライアウェイ。

フランスでは7月から8月にかけてバカンスの時期に入ります。

人によって、あるいは会社によっても異なりますが、各々3週間から1か月ほどの長期休暇を取ります。

この時期になると、「バカンス」という言葉が耳にタコができるほど入ってきます。

「お前はバカンスにどこに行くんだ」といった類の質問は10回以上受けました。

しかし、一般のフランス人とは雇用形態が異なる僕にはバカンスはありません。

でも、そんな楽しそうな話を聞いていると、旅に出たくなりました。

というわけで、8月中旬の金曜日に休みをいただき、土日を含めて2泊3日でちょっくら旅に出ました。

今回の旅先は、フランスのアルザス地方のストラスブールとコルマール、そしてドイツのフライブルク。

まずはドイツのフライブルクという街へ。

フライブルクはドイツ南西部に位置し、フランスおよびスイスとの国境に近く、

人口約22万人(日本の都市と比べるならば兵庫県宝塚市と同じくらい)の街。

またフライブルクは、環境先進国ドイツの中で「環境首都」と呼ばれ、

環境保護で先進的な取り組みをしている街として世界的にも有名です。

知識こそ浅はかですが、環境問題に興味があり、数年前からずっと行ってみたかった街でした。


フライブルクに着いて、まずは街を散策。


街のあちこちに「緑」があって、さすがはエコの街だなという印象を抱きました。

こんなお家もありました。


遠い故郷の甲子園球場を思い出しました。

旧市街の中心に大きな大聖堂がそびえるように立っていました。


中はこんな感じで、まさに「荘厳」のひとこと。


1354年に建設が始まり150年以上かけて建てられたというこの大聖堂は、高さが116メートルもあるそうです。

若干ひんやりとした大聖堂から外に出ると、自己主張の激しいギラギラした太陽にやられました。


暑いのなんの眩しいのなんの。

しかし、ふと下に目をやると、こんなのが。


旧市街にはあちこちに水路が流れていて、見ているだけで涼しい気持ちになりました。

これもエコの一環なのでしょうか。


さて、お腹が空いたなということで、夕食を食べにレストランに。

ドイツといえばやはりソーセージ。

しかし、メニューを見ても何が何やらさっぱりわからない。

なので、店員さんに「ユー ハヴ ア ソーセージ?」と拙い英語で聞きました。

店員のお兄さんが「こいつ何言うてんねん」って感じで聞き返してきたので、

「ソーセージ!!うーん…ウインナー!!ウインナー!!こんなやつ!!」ってボディランゲージも交えて言うたけど通じず…。

えー!?ドイツ語でソーセージはソーセージって言わへんの!?

(後でドイツ語に堪能な友達に聞くと、ドイツ語では「ソーセージ」でも「ウィンナー」でもなく「ヴ―スト」と言うそうです。)

仕方なく、唯一メニューから読み取れたスパゲッティにしたら全然おいしくなかったし。とほほ。

すると、横からフランス語が聞こえてきました。

隣のテーブルではフランス人のおばちゃんがご飯食べてたんですが、

そのおばちゃんはドイツ語も英語もしゃべる気なし。フランス語の一点張り。

さすがフランス人。

しかし、さっきの店員さんがカタコトながらフランス語で対応してるっていう…。

フランス語で言うたらいけたんかいっ!

しかもその席にソーセージ持ってきよった!

ソーセージあるんんかいっ!もう遅いわ!!

悔しかったので、食後にテイクアウトのソーセージパン食いました。


ソーセージはしわしわやし、パンはめっちゃ固い。

けどこれが何か知らんけどめっちゃ美味い!

あぁやっとドイツに来たって感じになれました。

いいお口直しになりました。

それにしても、「言葉」って大事やなと思いました。

何書いてるんかわからん、何言うてるんかわからんってのがこんなに大変やとは。

普段、フランスで過ごしていると感じることの出来ない感覚でした。

パリで道に迷いメニューに困る日本人観光客の辛さがようやくわかりました。


さてさて、そうこうするうちに日が暮れて夜になりました。

夜の街を路面電車が走っています。


路面電車はエコな街づくりに効果的な乗り物だそうです。

路面電車が街を走ることによって、自動車の侵入を規制することができ、

電車ですから、バスと違って排気ガスを出すこともありません。

また、普通の電車とは違ってスピードは出ませんが、危険度が少ないため、鉄道を敷いたり柵で囲ったりする必要がなく、景観が損なわれません。

なるほど、環境保護のために色々と考えられて街が作られてるんやな。

最後に、僕のちょっと真面目臭い戯言にお付き合いください。

エコの世紀だと言われる21世紀になって早13年が過ぎました。

地球環境は悪化していくばかりです。

度重なる地震、火山の噴火、温暖化、異常気象など、みなさんも地球の異変を薄々感じているのではないでしょうか。

決して他人事ではありません。

自分たちの子供や孫の世代にこのまま汚れたままの壊れかけた地球を残すのか…。

日本人は古来より自然を神として尊び崇めてきました。

その精神は今も我々の中に残っているはずですし、

自然を大切にするための知恵や工夫は今も日本の社会に多く見られます。

日本人こそが世界に自然の大切さを発信し先導していかなければならないのではないでしょうか。

そんなことを考えながらホテルへと向かう道を歩いていましたが、

ふと空を見上げると、空一面にきれいに光る星が広がっていました。

フライブルクは大都市ではありませんが田舎というわけでもなく、環境保護に努めているからこそ星もきれいに見えるのかもしれません。

都会で生まれ育ってきた僕は、これほどの星を今まで見たことがありませんでした。

感動してしばらく星空を眺めていると、いくつも流れ星が見えました!

いやぁ旅するっていいね。

つづく…


日仏交流コーディネーター
山田 剛士

2013年8月20日火曜日

七転び、八起きで走る、楽しき夏よ。

夏のある日。

パリの道を歩いていると、いきなり「ピピィィィーーーーーーー!!」という警笛が鳴り響き、

警察によって車道が封鎖されました。

「なんやなんや!?事件か!?事故か!?」と思って見ていると…

道の向こうからすごいスピードで人の塊が!!

よく見ると…ローラースケート!!



もちろん車を制止する警察官もスケートを履いています。

数百人ものスケーターが気持ちよさそうに駆けていきます。

パリでは週末になるとローラースケート愛好者のために、車道が解放されます。

芸術や文化に寛容なフランスらしい光景です。


数日後、会社にて。

「タケシ、明日のお昼休みにスケートしに行くけど来る?」と言われました。

「スケート?まじで!?行く行く!でもやったことないし大丈夫かな…」

「大丈夫!大丈夫!」

フランス人の大丈夫ほどあてにならないものはないけど…まぁいっか、楽しそうやし!

そして、翌日のお昼休み。

雲一つない快晴!絶好のスケート日和!

同僚の車に乗り込み、到着したのはスケート場。

なんや、道で走るんやないんか。まぁいっか、どうせ道で走ったら置いてかれるだけやし。

中へ入ると…

「ん?なんか寒いな。クーラー効かせ過ぎやろココ。」って…


アイススケートやないか!!

てっきりローラースケートやとばかり思っていた僕。

まさか夏にアイススケートやとは思いませんでした。

アイススケートなんかほぼ15年ぶり。

っていうか僕、実はサッカー以外のスポーツはまるで出来ないんです。

そして、案の定…


リンクに入ってものの数十秒で、思いっきり尻もちをついてしまいました。

「ハハハハハーーーー!!」ってみんなに大笑いされました。

滑れないけどスベらない。


そんな滑れない僕に救世主が…イルカさんです。

イルカさんにさえ捕まっていればもうコケることはありません。

しかし、そんな甘い世界ではありません。

リンクの真ん中でイルカさんを奪われ…


上司のエロディに引っ張りまわされました。

いたずらっ子を上司に持つと大変です。

そのお陰でコツをつかんだのか、最後の方は人並みに滑ることができるようになっていました。


楽しいお昼休みでした。


山田 剛士

2013年8月17日土曜日

サングラス、越して見えるは、夫婦愛。

今年の4月、僕が中学時代にサッカーをしていたクラブチーム「FC西神」でコーチをしてくれていた久智君が結婚しました。

中学以来、サッカーはもとより、人生の色々なことを教わり、お世話になってきた恩師とも言える人です。

僕はフランスに居たため、残念ながら結婚式には参加できませんでした。

せめてメッセージだけでもと、サプライズでこんな写真をお贈りしました。


誰でしょう?

結婚おめでとう!

ハネムーンはぜひフランスへおこしやす。


そしたら、ほんまにハネムーンにパリに来てくれることに!

パリのGrands Boulevardsという駅の出口前で待ち合わせ。

遅刻魔の僕が待ち合わせ10分前に到着という奇跡。

しかし、予定の時間になっても久智君夫妻は現れません。

あれ?おかしいな。

15分経過…迷ってるんかなぁ?

30分経過…まさかケンカしてるんちゃうか!?

45分経過…来る言うといて来ないっていう悪質な悪戯かな?

1時間経過直前…「あ、そういやここもう一つ出口あったな」と思い出して見に行ってみると…

いない。

「帰ろっかな…」と思いながら最初の場所に戻ってみると…

久智君と奥さんの二人が立っていました。

よくよく聞くと、時計の針が1時間遅れていたそうです(笑)


とか言うてほんまは…




こんなことしてたんちゃうかな(笑)

何はともあれ、久智君と久々の再開、そして奥様と初めての対面を果たすことができました。


待ちくたびれた人(左)とやってもた人(右)の画


さてと、どこへ行こうか?

悩んだ挙句、ここに行くことにしました。




パリから南西へ約90km、TGV(フランスの新幹線)で1時間ほどの場所にあるでシャルトルです。

シャルトルの見どころは、何といってもここ!




世界遺産にも登録されているシャルトル大聖堂です。

立派なたたずまいもさることながら…




外の陽の光を受けて綺麗に輝くステンドグラスや…




ステンドグラス越しに太陽にパワー与えているかのような神(?)の像…

などなど、大聖堂の中も素敵な雰囲気でした。

しかし、問題は大聖堂を出てから気づきました。

この街の見どころは、この大聖堂だけだったのです。

ものの1時間でパリに引き返すことになってしまいました。


「なんやねん!大聖堂しかないやんけ!」の画


ちなみに…写真撮影の時は久智君が必ずこのサングラスをかけないといけないっていう夫婦のルールがあるそうです。

なぜかは知りませんが、これが夫婦円満の秘訣だそうです。

重要なのはサングラスではなく、妻の言う事に従順になるということだと解釈しました。

結婚って奥が深いですね。





ってなことで、僕もサングラスかけてみました。

っていうか隣のサングラスかけさせ魔(久智君の嫁さん)に無理くりかけさせれれただけです(笑)


山田 剛士

2013年8月10日土曜日

串焼きに、タレはつけても、濁点つけぬ。

毎日通る駅の横の駐車場。

ここには電気自動車のレンタカーが置いてあります。



台数は2、3台しかないし、デザインもあんまりかっこよくなくて、乗ってる人もあんまり見ないのですが、取り組みとしては素晴らしい。

しかし…


窓、割られてました(笑)

車が燃えてたり、車の窓が壊されてたり…

※車が燃えていた話については過去の記事をご覧ください。(下記リンクより↓)
http://takeshi-yamada.blogspot.fr/2013/02/blog-post.html
http://takeshi-yamada.blogspot.fr/2013/02/blog-post_5546.html

「お前、一体どんなとこに住んでんねん!」っていう声が各方面から寄せられておりますので、

今回は僕が住む街についてちょこっとお話したいと思います。

僕が住むシャン・スュル・マルヌ(Champs-sur-Marne)市は、パリ市内から電車で20-30分ほどの場所にあります。

そのシャン・スュル・マルヌ市の西部にある「シテ・デカルト(Cité Descartes)」という街に僕の住む大学寮があります。

デカルトとは、みなさんも世界史の授業で習ったかもしれません、17世紀の有名な哲学者です。



デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という言葉はみなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

デカルトは、真実を見分けるためにはどうすればよいかと考え、

そのためには全てのものを疑って、疑い得るものは徹底的に排除するという作業に至りました。

すると、どうしても疑うことのできないものを一つだけ発見します。

それは疑っている自分自身の存在でした。

つまり、「自分は考えるからこそここに存在しているのだ」というのです。

気難しいおじさんですね。

そんなデカルトの名が冠せられたこのシテ・デカルトは、多くの教育施設や研究機関が集まっている大学都市です。

先日、ふらっと散歩に出た際に撮った写真でこの街をご紹介していきたいと思います。

まずは、僕が毎日利用しているノワジーシャン(Noisy-champs)駅。

駅の前には、こんな壁画が。壁画の上にさらに落書きがされています。


目には目を、絵には絵を。です。

壁画には、白人、黒人、そしてなぜか下着一枚の中国人女性(=黄色人種)が描かれています。

様々な人種が共存している様子を表したものなのでしょう。

確かにこの街には黒人やアラブ人、中国人が多い。まぁパリの郊外はどこもそうですが。

駅を出て南へ進んだここが、この街のメインストリート。


なんかこうしてみると、ビートルズのアルバムジャケットみたいですが、そんな大したとこじゃないです。

写真左手にパン屋、薬局、銀行、カフェなどが並ぶ商店街になっています。

メインストリートとか商店街と呼ぶのはおこがましいほどその規模は小さいのですが。

この商店街を一番端まで行くと、この街に一件だけある日本料理店が。


日本食レストランといっても、中国人が経営するいわゆる"えせ"日本食レストランですけど。

ここの店主渾身のボケを発見したのですが、

この写真ではちょっとわかりにくいので、ちょっと拡大してみましょう。


「ぐしやき」!!!笑

中国人なら漢字で「串焼」って書いたらいいものを、わざわざ調子に乗ってひらがなで書くからこうなる。

本当に中国人はコピーするのが下手。

ちなみに、「ぐしやき(串焼き)」というのは「焼鳥」のことです。

今やフランス国内に1500件以上の日本食レストランがあるそうですが、そのうち9割が日本人以外(中国人、韓国人、東南アジア人など)が経営するえせ日本食レストランなんです。

そして、えせ日本食レストランのメニューと言うのは、決まって「寿司と焼き鳥」になっています。

大した味付けをせずとも出せるからでしょうか。

本物のの日本食レストランとえせ日本食レストランではどう違うのか。

寿司で言えば、米の炊き加減と酢飯の加減が絶妙に違うのと、

ネタがサーモンとまぐろ一辺倒なところぐらいでしょうか。

こっちからしたら大問題ですけどね。

さて、この料理店の前にはシテ・デカルトのシンボル的なモニュメントが。


まさに「串焼き」を思い起こさせる形となっております。

さて、この写真を撮った後、ものの5分ほどしたところでいきなり夕立ちを食らいまして、散歩どころではなくなりました。

お年頃のデリケートな僕の頭に酸性雨は命とりなので、一目散に帰宅。

まだまだ紹介したいところがあったのですが…。

というわけで、続きは第2弾として乞うご期待。


日仏交流コーディネーター
山田 剛士